縄文杉の世界へようこそ

注意事項
1.船、特に高速船は波が高くなると欠航します。飛行機の方が飛ぶ確立は高いです。日程には余裕を持ちましょう。4日間島に閉じ込められたという話も聞きます。
2.あらかじめ体を鍛えておきましょう。あまりにペースが遅いと帰りのバスに間に合わない、もしくは暗くなって歩けなくなる可能性があります。高所のため夜はかなり冷え込み場合によっては凍死する危険性もあります。また帰って来ないということで、周りの人や屋久島の関係者にかなりの迷惑をかけます。登山、ジョギング、重りを巻いてのウォーキングなどが有効です。
3.万が一に備えて、ヘッドランプとセーターを持っていきましょう。水と食料は余裕を持って。雨具上下、リュックカバーも必須です。
4.事前にちょっとした山に登り、ガイドブックに書いてあるタイムに比べて自分のペースが遅くないか確認しましょう。
5.事前に行程表を作りましょう。この時、時間の余裕をかなりみておきましょう。
6.各ポイント間のタイムを計りましょう。自分のタイムが行程表に対して遅い場合は、引き返す勇気を持ちましょう。
7.前日の夜は節制し早く寝ましょう。睡眠不足が集中力を奪い、それが怪我につながることもあります。動けなくなれば多くの人に迷惑がかかります。
8.雨天時は滑りやすいため特に怪我をしないように注意して歩きましょう。下りでの事故が登りに比べて圧倒的に多いそうです。

2004年10月17日
午前4時10分起床。5時10分フロント集合。5時22分のバスで荒川登山口まで。延々と山道を登る。6時半到着。7時頃から登山開始。前半2時間半はトロッコ道がこれまた延々と続く。




トンネル。人が通ると電気がつく。


朽ち果てたトロッコ。文明もいずれは森に飲み込まれる。


トロッコは現役。汽笛を鳴らしながらやってくる。逃げ場がない場合はどうするのだろう。以前は小杉谷の住民の足として使われていた。


小杉谷小・中学校跡。ここに多くの人が住んでいたというのは信じがたい。


三代杉。一代目の倒木の上に二代目が育ち、二代目の切り株の上に三代目が育っている。一代目は1500年ほど前に倒れ、現在は朽ち果て空洞になっている。二代目は樹齢1000年で350年前に伐採された。三代目は樹齢350年。


屋久鹿。屋久島では何にでも屋久をつける。


2時間半のトロッコ道の終点。緩やかな登りがじんわり足にと効く。しかしここからが本格的な登山。左の橋を渡ると、途中唯一のトイレ。行き帰りにここで用を足さないと、どこかでしなければならなくなる。しかし、それが遭難の原因になることもあるし、自然破壊にもつながる。トイレがある場所では必ずトイレを済ませてください。大株歩道の看板から右に登山道。両手両足でのかなりハードな登山になる。特に雨天時は怪我をしないように注意すること。


すぐにこのような原始の森になる。


翁杉。


ウィルソン株。中央の空洞から中に入ると祠があり、小川が流れている。


ウィルソン株内部から上を見上げる。すでに別の命が育っている。


ウィルソン株内部の祠。この右側に小川が流れている。その巨大さは圧倒的。


大王杉。まさに大王。見た瞬間に圧倒され、体に寒気と電流が走る。


夫婦杉。手をつないでいる。右側の木はかなりの大木。さてどちらが夫でしょう?


縄文杉展望台。

これから下の写真は縄文杉上部、中上部、中部、根元です。屋久杉は全て巨大すぎてその全体像を写真に収めることができません。この4枚の写真でいくらかでも実物を想像していただければ幸いです。この上部よりもさらに上、私の頭上を越えて枝葉が茂っています。縄文杉は4枚の写真にさえ収まることを拒否します。




その圧倒的な存在感。その巨大さで私を圧倒した大王杉ですら大きさで比較にならない。まず幹の太さがまるで違う。そしてそこに刻まれた数千年の時の流れ。それがうねりとなって私に襲いかかってくる。残念ながらそれは写真では伝わらない。その後鹿児島の資料館で見た写真では、100年ちょっと前の人々がまるで原始人のように感じた。人間にとって100年とは何と長い年月か。その軽く数十倍を生きるこの木は一体何なのだ?火災はなかったのか。命とは何か。人間とは何か。人間は飼っている犬の一生の短さを何と儚いかと思う。しかし縄文杉の視点で見れば、人間の一生も、雨粒が落ちてできる王冠のようなものだ。


角度を変えて。雲に覆われ、その姿はより神秘的になる。