2008年7月22〜23日槍ヶ岳

7月22日
午前4時起床、5時15分出発。
5時31分の始発電車に乗り、6時の新幹線で名古屋へ。
そこから特急しなのに乗り換え松本下車。
松本電気鉄道で終点の新島々まで30分。
そこからバスで上高地に1時間10分。
上高地に着いたのが13時10分。
遠い!
ここしか休みがなかったので今回は仕方がないが、できれば埼玉の自宅から行きたい。

バスから見た焼岳。
北アルプス唯一の活火山である。
100名山の一つで、いずれ登ってみたい。




バスから見た大正池と穂高連峰。
大正池は、焼岳が1915年(大正4年)に大噴火した際、梓川をせき止めて生まれた。



上高地はマイカー規制されており、車で来た人は遠くの駐車場でバスに乗り換える。
上高地近くの道路には膨大な数の観光バスが止まっていて、そのため路線バスは5分遅れで到着した。

これが有名な上高地の河童橋。
水が美しい。
これからこの梓川を遡る。



上高地周辺はものすごい人。
槍ヶ岳への道も、一般の観光客と登山者が入り混じる。

明神岳がどっしりとした山容を見せる。



今日はあまり起伏のない道を3時間歩く。
1時間と書いてあるが、50分ほどで明神館に到着。



明神館から1時間ほどで徳沢に着く。
写真は徳沢ロッジ。
もう一つ、徳沢園という宿泊施設もある。
キャンプ場が賑わっていた。
ここまで来ると、もう観光客はほとんどいない。



さらに1時間歩いて横尾に到着。
写真は今日泊まる横尾山荘。



上高地の標高が1505m、横尾で1620mだからあまり変わらない。
木陰を歩いていると、夏とは思えない涼しさだ。
この横尾山荘は、風呂があるので快適だ。
ただし、シャンプーや石鹸などは使えない。

前穂高岳は山頂が常に雲に覆われていた。
夕食後、いい写真が撮れないかとしばらく外で待っていたら、夕方ようやく雲が取れた。


7月23日
今回は序章が長い。
昨日は一日序章だった。
まるで映画「ロード・オブ・ザ・リング」のようだ。
早く本題に入りたい。

5時半に朝食。
6時10分出発。
横尾山荘目の前の吊り橋を渡れば穂高。
今日は右に行く。
梓川の美しい流れを見ながら進む。
1時間40分で槍沢ロッジに到着。




最初の雪渓。
ここはまだ大丈夫だが、気をつけないと滑る。
つけている人は結局見なかったが、アイゼンがあった方が安心かも知れない。



雪渓を渡り、振り返って赤沢山を眺める。



あいにく雲が多いが、高山植物は豊富だ。



山肌を流れ落ちる滝。
雪解け水やこうした流れが梓川となる。














見えた!
やっと見えた!
長かった!
この山は、本題に入るのに膨大な時間と労力が必要だ。




手前が殺生ヒュッテ、向こうにヒュッテ大槍、その向こうに輝いているのは西岳(2758m)。




振り返ると、氷河が削り取った地形が生々しい。




実は東鎌尾根を人が歩いているのだが、拡大しないと分かりにくい。




花と槍ヶ岳山頂。




ようやく山頂に光が差し、青空が見えた。




山頂を目指す人と梯子が見える。




13時過ぎにようやく槍ヶ岳山荘に到着。
所要時間7時間。
槍ヶ岳山頂は標高3180m、横尾山荘が1620mだから標高差は1560m。
普段鍛えているので体力的には特に問題はない。




山荘前でくつろぐ登山者。




横尾山荘ではパンしか売っていなかったので仕方なくアンパン2個を行動食にしたが、全然足りない。
槍ヶ岳山荘で受付を済ませ、食堂でカレーライスを食べる。

一息つき、リュックから不要なものを出し、山頂にチャレンジ!
ほとんどロッククライミングである。




笑ってしまうような光景。
そんな中にも高山植物が花を咲かせている。




○の方向に進む。
×の方に行ってはいけない。
登りと下り、2種類の道があり、梯子も登り用と下り用がある。









途中で振り返り、槍ヶ岳山荘を見る。




これが最後の梯子だ。




梯子を上ってから振り返る。




山頂だ!
あいにく曇っているが、西岳が輝いていた。


山頂はごろごろとした岩でできていて、10人ぐらいが同時にいられる程度の広さ。
四方は絶壁である。

槍ヶ岳山荘に物資を運ぶヘリコプター。
どうやってこの曇り空で飛行できるのか?





先ほどの殺生ヒュッテとヒュッテ大槍が遥か下に見える。
ジェットコースターでいちばん高いところまで上り、そこから落ちる直前のような気分だ。




山頂でしばらく過したが、なかなか雲が取れない。
穂高連峰へと続く西鎌尾根、その最初のピークである大喰岳がやっと見えた。




常念岳方面。
この尾根歩きは、槍・穂高連峰の展望がすばらしいらしい。
いつか行ってみたい。




登りよりも下りの方がぞっとする。
技術的にも、下りは登りよりもはるかに難易度が高い。
梯子や鎖があると安心する。
問題は何もないところだ。
途中でおばさんが固まって渋滞になっていたりする。




ここどうやって降りたんだっけ?




槍ヶ岳山荘に戻ってきた。
山荘近くでテントを張る人もいる。




テント近くから、山荘と槍ヶ岳山頂を眺める。



夕食後はしばらく暇だ。
談話室で読書して過す。
高山病の対策が書かれていた。
1.寝ると呼吸が浅くなり、高山病が悪化する。なるべく消灯まで寝ないこと。
2.アルコールは体を麻痺させ、呼吸を浅くする。深酒は持っての他。
3.深呼吸で改善する。

畳1畳の3分の2ぐらいしかないスペースに番号が2つ!
ここに2人寝ろということらしい。
そんな無茶な!
私は有名な山に休日に登るようなことはしないが、そこしか休みが取れない人は大変だ。
平日なので一人で1枚の布団で寝ることができる。
下にはそこそこ人がいたが、梯子を上った上には誰もいない。
上でゆっくり寝ることができた。

当然風呂はない。
八ヶ岳展望荘は山頂近くの山小屋なのに風呂があった。
あそこはすばらしかった。
これだけ汗を掻いて風呂もシャワーもないというのは厳しい。
石鹸禁止は分かるが、洗顔禁止というのは困る。



写真が多すぎるので、翌日の下山の様子は別のページに書くことにします。
それとは別に、「槍ヶ岳の草花」というページも作る予定です。

続く