2007年6月4日白木山

午前8時50分起床。
普通山に登る時は早起きするものだが、広島ではゆっくり起きてそれからどの山に登ろうかと考え、それからでも十分間に合うのである。
白木山には以前から登ってみたいと思っていた。
高低差810m、広島県屈指の厳しい山として知られている。
調べてみると、芸備線は1時間に3本、しかし白木山駅に行くのはそのうちの1本だけ。
時間を合わせ、11時に家を出る。
広島駅で芸備線に乗り換え、白木山駅に着いたのが12時15分。

白木山駅を出発、三次方面に向かう芸備線のディーゼル車。
もちろん単線。


白木山駅。
何にもない何にもない全く何にもない。
自動販売機すらない。
列車は1時間に1本。
のどかな自然がすばらしい。


駅から線路を渡り道なりに行くと、7分ほどで登山道が右手に見える。


今日は暑い!
顔が滝のようになる。
そりゃそうだ。
普通登山というのはもっと早い時間に出発するものだ。
午後から登ったら暑いって。
810mの高度差を、ただひたすら登る。
かかって来い!と言わんばかりのこの険しさがいい。

平日というのに、何人もの人とすれ違う。
さすが人気の山だ。

400mを過ぎると、木陰ということもあり汗が流れ落ちなくなった。

800mあたりから植生が変わった。
木の種類が違う。
やや低い。

50歳ぐらいの女性に追い抜かれた。
私は毎日10km以上の距離を走り、体力には自信がある。
しかし、どうやら登山とランニングでは使う筋肉が違うのだろう。
別に山でスピードを競うつもりはないが、そんなに速いスピードではない。
この方は、この急な上り坂をどうしてこうもすいすいと登れるのか。

山頂からの眺めは感動的だった。
360度の展望。
残念ながら写真ではその感動を伝えきれない。





山頂で昼食。
絶景を眺めながらの昼食は本当に幸せな気分であった。
さっき追い抜いていった女性が男性と話している。
どうやら2人とも毎日登山しているようだ。
なるほど、それだけ鍛えていればそういうスピードになるだろう。
ところでお仕事は?

山頂の神社。



まさかここから市内と海が見えるとは思わなかった。
感動した。


登った段階では体力にはかなりの余裕があった。
まだ同じ距離ぐらいは登れる。
しかし登山できついのは実は下りだ。
白木山駅から白木山山頂へのコースは全て急坂と言っていいほど。
上りはゆっくり登ればいいが、下りはどうしても足に負担がかかる。
膝が笑うというよりは、足全体が笑う状態になった。

帰りはあっという間。
白木山駅で30分の待ち時間。
ひたすらボーっと景色を眺めて過す。
何とも幸せな時であった。

芸備線では座れたのであまり疲労感はなかったが、山陽本線では帰りのラッシュで座れなかった。
立った状態では足が疲れているのが分かる。
これはほとんど下りの疲労だ。

白木山は本当に素晴らしい山であった。
さすが人気の山だけのことはある。
高度差810m、延々と続く急坂を登る充実感、そのご褒美としての絶景。
高さがあるため他の山々を見下ろすことができ、まるで空中を散歩しているかのようだ。
広島市内と海まで見えるのには感動した。
登山道は急ではあるが、広々として整備されていて登りやすい。
またぜひ登りたい。